ロボコップの名言7選を英語で!西部劇の精神と社会風刺が宿る近未来SFの深層

都市の高層ビルを眺めるアンドロイド警官の後ろ姿と、その隣に停まるパトカー SF

ロボコップの決めゼリフといえば、
「Dead or alive, you’re coming with me」(生死を問わず、連行する)
――犯人に向けて放たれるこの言葉は、ただの脅し文句ではありません。

舞台は近未来のデトロイト。しかし、この言い回しは西部開拓時代の指名手配書に由来する、古風な表現です。なぜ最新のロボット警官が、西部劇の保安官のような言葉を使うのでしょうか。

「Dead or alive」は、死んでよみがえったロボコップ自身の運命とも重なります。犯人を連行するための言葉であると同時に、彼自身の存在を象徴する言葉でもあるのです。

この記事では『ロボコップ』に登場する印象的なセリフを取り上げ、シーンと英語表現の両面から読み解いていきます。セリフを英語として味わうことで、この映画が描く世界が、もう一段くっきりと見えてくるはずです。

“Dead or alive, you’re coming with me.”――殺してでも連行する

古びた西部開拓時代の指名手配書のクローズアップ。「DEAD OR ALIVE」の文字と犯罪者の似顔絵、そして「$10,000」の賞金額が描かれている。

Dead or alive, you’re coming with me.
殺してでも連行する

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

ギャングの一味を追って廃工場に乗り込んだマーフィー巡査。銃を構え、犯人の一人に向けて放つセリフです。
その後、ロボコップとして復活した彼は、ガソリンスタンドの強盗犯にも同じ言葉を告げます。

英語ポイント

「Dead or alive」は、西部開拓時代の指名手配書が元ネタです。ここでの「or」は単なる二者択一ではなく、「どちらに転んでも結果は同じ」というニュアンス。
「you’re coming with me」と現在進行形を使うことで、もう決定事項だという有無を言わせない力強さが生まれます。

セリフ解説

「dead or alive」という言葉は、一度死んでよみがえったマーフィー自身の運命と重なります。
記憶を消去されたロボコップが、かつてと同じセリフを再び口にする。その瞬間、鋼鉄の体の奥に、消えたはずの人間の魂が生き続けていることが示されます。
舞台は近未来のデトロイト。犯罪がまん延し、さながら西部開拓時代の無法地帯。そこに現れたロボコップは、悪に立ち向かう保安官そのもの。
『ロボコップ』は、近未来を舞台にした現代版西部劇でもあるのです。

“I’d buy that for a dollar!”――買っちゃうぞ、1ドルで

I’d buy that for a dollar!
買っちゃうぞ、1ドルで

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

劇中に何度も登場するセリフです。低俗なテレビ番組の司会者が下ネタの後にこれを叫び、スタジオの観客が爆笑する――お約束のギャグとして物語の端々に登場します。

英語ポイント

「I’d」は「I would」の短縮形で、「そいつは買いだね!」程度の軽いノリ。「for a dollar」は「たった1ドルで」、つまりタダ同然の値段。買うと言いつつ出すのは1ドル。そのナンセンスさが笑いどころです。

セリフ解説

『ロボコップ』を観たことがなくても、このフレーズは知っている。本国アメリカではそれほど広く浸透したセリフです。
劇中ではもはや誰も意味など気にせず、コメディアンが叫べば観客は条件反射的に笑うだけ。
ニュースで人が死のうが、警官が撃たれようが、次の瞬間には画面がこの空虚なギャグに切り替わる。悪人も一般人も、何の疑問も抱かず笑い興じます。
これぞバーホーベン監督が得意とする社会風刺の真骨頂です。

“Your move, creep.”――お前の番だ、クズ野郎

チェス盤上で、精巧な銀色の人型ロボットの手が、木製のチェスの駒(キング)をそっと持ち上げようとしている瞬間。

Your move, creep.
お前の番だ、クズ野郎

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

人質の女性のスカート越しに犯人の股間を正確に撃ち抜くロボコップ。倒れて悶絶する犯人を尻目に、うろたえる共犯者に向かって放つセリフです。

英語ポイント

「Your move」はチェスで「あなたの番です」という意味の表現。ここでは「さあ、どうする?」という冷静な挑発になります。
「creep」は「クズ野郎」「気持ち悪い奴」に相当する俗語。
一見すると無機質なロボットの言葉ですが、そこには人間らしいあざけりもにじみます。

セリフ解説

マーフィーはもともと「Dead or alive, you’re coming with me」のような、芝居がかった決めゼリフを好む人物でした。
チェスの盤面を読むように冷静に犯人を追い詰めながら、どこか人間的な感情ものぞかせる。機械の体に刻み込まれたマーフィーの正義感と茶目っ気が、わずか三語で表現されています。

“Murphy, it’s you.”――マーフィー、あなたなのね

Murphy, it’s you.
マーフィー、あなたなのね

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

マーフィーの元相棒アン・ルイス巡査は、ロボコップの正体がマーフィーではないかと疑い始めます。廊下でロボコップに近づいた彼女は、声を潜めて問いかけました。

英語ポイント

「It’s you」は、相手が誰であるかに気づいた瞬間に使う表現です。語気やイントネーションによって「あなただったの(驚き)」にも「やっぱりあなたね(確信)」にもなります。
「Who is it?(どなたですか?)」のように、正体のわからない相手に「it」を使うのは英語として自然な用法です。

セリフ解説

「あなたなのね」と告げられ、思わず後ずさるロボコップ。その反応こそが何よりの答えでした。
オムニ社はマーフィーの記憶を消し、感情を持たない機械として運用しようとします。しかし、命を預け合った相棒だけは、機械の体の中に残る人間マーフィーの痕跡を見逃さなかったのです。

“Bitches, leave!”――ビッチども、失せろ

リビングルームのガラステーブルの上に置かれた、手りゅう弾型の時限爆弾のクローズアップ。上部の小さな液晶画面にカウントダウンが表示されている。

Bitches, leave!
ビッチども、失せろ

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

オムニ社の若手重役モートンの自宅に、ギャングのボスであるクラレンスが乗り込みます。モートンに銃を突きつけ、居合わせた娼婦たちにこう命じます。

英語ポイント

「Bitches」は直訳すれば「雌犬」で、女性への最も強い侮辱表現のひとつ。これに相当する日本語表現は、ちょっと見当たらないほどです。
「Leave」は「去れ」を意味しますが、「Get out!」のような怒りは感じられません。業務連絡のような冷え切った事務的な響きがあります。

セリフ解説

悪役が際立つほど、主役の魅力も引き立ちます。
権力と快楽に溺れていたモートンの前に現れる、アンダーグラウンドの暴力を体現した存在――それがクラレンスです。
殺しをビジネスとして遂行する冷徹なプロ。「Bitches, leave!」という二語が、彼の暴力性、女性蔑視、感情を排した残忍さをまるごと体現しています。

“They’ll fix you. They fix everything.”――彼らが君を治す

They’ll fix you. They fix everything.
彼らが君を治す。あの連中は何でも直すんだ

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

廃工場での対決。深手を負ったルイスが「Murphy, I’m a mess!(マーフィー、わたしもうダメ!)」と訴えると、同様に傷ついたロボコップが返すセリフです。

英語ポイント

「they」は文脈上オムニ社を指しますが、あえて固有名詞を出さないことで、逆らいようのない巨大な力という印象を与えます。
「fix」は本来「修理する」という意味で、人間に対して使うには無機質な動詞。さらにスラングとして「問題を力ずくで処理する」という含みもあります。

セリフ解説

瀕死の相棒にかける言葉にしては、なんとも無感情なセリフ。しかしそこには、気の利いた言い回しを好んだかつてのマーフィーの面影が確かに宿っています。
人命をもてあそぶ巨大企業への皮肉、「君もロボットにされちまうぞ」というブラックユーモア、そして不完全に「修理」された自分の運命への諦観。それらすべてが、この短いセリフに凝縮されています。

“Nice shootin’, son. What’s your name?” / “Murphy.”――見事な腕前だ

西部劇の町並みで、手前に立つ銀色のアンドロイドが銃を撃ち、遠景にいる西部劇の服装の男が撃たれて倒れかかっている決闘の瞬間。

Nice shootin’, son. What’s your name?” / “Murphy.
見事な腕前だ。名前は?/マーフィー

🔊 セリフを聴く
※音が出ます

シーン

オムニ社の会議室で、悪の黒幕であるジョーンズ副社長に銃弾を浴びせたロボコップ。ガラス越しに落下する最期を見届けて立ち去ろうとする彼を、オールドマン会長が呼び止めます。

英語ポイント

「son」は「息子」ではなく、年配の男性が若者に親しみを込めて呼ぶ言葉です。日本語なら「若いの」「君」に近いニュアンス。
「What’s your name?」は、単なる質問ではありません。オムニ社のトップが、名前を持つ一人の人間としてロボコップを認めた瞬間です。

セリフ解説

何を言ったかではなく、何を言わなかったかに着目しましょう。
ロボコップは「マーフィー」と答えましたが、「アレックス」とは言いませんでした。
「マーフィー」は職業人としての名前。ルイスも最後まで彼を姓で呼び続けました。そこには対等なバディとしての敬意があります。
一方、彼はアレックスという一人の男でもありました。夫であり父親だったのです。でも、もうそこには戻れない。失ったものはあまりに大きい。
振り返って「マーフィー」と答え、かすかに笑うロボコップ。単なるハッピーエンドにとどまらない余韻を残し、映画は幕を閉じます。

おわりに――マーフィーはロボコップとして生きる

マーフィーはロボコップとして生きる道を選びました。人間の記憶と感情を持ちながら、最強の警察官として悪に立ち向かいます。
開拓時代であれ現代社会であれ、人間の本質は変わりません。私利私欲のために他者を傷つける悪人がいる一方で、正義を信じて戦い続ける人たちも必ずいます。
「Dead or alive, you’re coming with me」(生きていようが死んでいようが、お前は俺と一緒に来るんだ)
英語の意味を理解した上で聞くと、同じセリフもどこか違って響きます。
ぜひほかの作品の記事もチェックしてみてください。洋画のセリフを入り口にすると、英語がぐっと身近に感じられるはずです。